死にかけたBuffalo Linkstationからデータを救い出した
ある日の朝、家のNAS(Buffalo Linkstation、LS-VLシリーズ)に繋がらなくなった。
これはその際のデータ復旧作業のメモ書きです。
TL;DR
- Buffalo Linkstationの中のHDDのファイルシステムはxfsなのでLinux機に繋げばアクセスできる。
- Buffalo Linkstationの中のHDDを取り出すには、ネジなどで開くわけではないので、力づくでかち割るしかない。
- Buffalo LinkstationにUSB接続した外付けHDDは接続時に自分でフォーマットするが、デフォルトはxfsなので、NASが壊れたときにはLinux機に繋がないとデータにアクセスできない。Windowsしかない環境の人は注意。(一応Hyper-V等使えば可能ではある)
- バックアップは取るだけでなく、日々取れていることの確認を怠らないようにしましょう。
本文
NAS本体を見ると、赤いエラーランプが点灯している。なんの気なしにNASを再起動したら(今思うとなんでエラーコードも確認せずに…と思うが、楽観視していたのだろう)、30分以上たっても起動が完了せず、繋がらないまま。
これはしまったと思い、NASにつないでいたバックアップ用の外付けHDDを外してWindowsで中身を確認しようとするも、「デバイスが正常に動作していません」的なエラーで能わず。
もしかして全データ飛んだ?
急に焦り始めて理由を探す。
多分、しばらく家のエアコンも効かず換気もされない棚の中でこの異常高温の夏を過ごさせたせいだろう…つまりデータよりはCPUとかの問題であろう。
NASも起動してこないだけなので、きっと中身のデータは無事であろう!でないと困る!ということでHDDを取り出してPCに直接繋いでデータを吸い出す作業へ。
外付けの中のHDDをWindowsのデスクトップPCのSATAケーブルにつないでディスクの管理画面から確認すると、一応認識はできている。でもエクスプローラには出てこない。まあ、ディスク自体は無事なのだろう…
ファイルシステムはなんだっけ?Buffaloのマニュアルを見ると、繋いだときに自分で選べるみたい。デフォルトはXFS。きっとデフォルトだろう。XFSはWindowsでは認識できない。じゃあ、とLinux機に差すことを計画するが、SATA-USB変換アダプタを持っていない。のでヨドバシで外付けHDDケースを買いました。
Linux機はあるにはあるが物理マシンは面倒なので、取り急ぎHyper-Vでubuntuを立ち上げて、こちらの記事を参考に外付けHDDのマウントを試すと、できた!
ファイルシステムはやはりxfs。
ファイルシステム確認はsudo parted -l
とりあえずバックアップ側は無事!でもバックアップは半年前くらいから止まっていたのを知ってるんだ…放置しちゃいけないよね。。
で、NAS本体はどうするかというと、ネジとかでは開かないんですよね。なので、力づくでかち割ります。 マイナスドライバーを側面の隙間から差し込んで、てこの原理でバキッと!
当然ですがサポート外です。自己責任で、かつ怪我にはお気をつけください。
参考記事 misoblog.hateblo.jp
取り出したらケースに入れて同様に繋ぐ。しかし、ubuntu仮想マシンが立ち上がらなくなった…
仕方なくLinux物理マシンに接続。やはり認識されるのが遅い…がしばらく放置すると無事認識。
/var/log/messagesを確認すると、xfsのリカバリが走っているようだった。不良セクタが多くなって死にかけているようだ。本体側はギリギリだったんだ…あぶなかった…。本体側もやはりxfsなんですね。
20、30分程度置いておくと無事リカバリが完了し、中のデータにアクセスできた! HDD内には複数のパーティションがあって、OS領域もありました。 NASの起動に時間がかかっていたのはリカバリが走っていたからだったんだな。仮想マシンが起動しないように見えたのもリカバリ待ちだったと推測。ジャーナリングファイルシステムすごい。神。
リカバリが走るような状況で死にかけているためか、読み書き速度はべらぼうに遅くなっていたが、順調にアクセスはできていたので、重要なフォルダから順にrsyncで別の元気な外付けHDDへコピー。6時間程度で500GBほどのデータの救出に成功しました。