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仕事・趣味で勉強したことのメモ

妻の産休明けから夫のみ育休を4ヶ月とった感想

経緯

昨年夏に子供が生まれ、12月から3月まで、育休をとりました。
妻は諸事情で育休がとれなかったため、平日日中は自分一人で育児する環境となりました。

育休は、職場が特別な制度を敷いていない限り、少なくとも

  • 同一の事業主に引き続き1年以上継続して雇用されている
  • 子供が1歳6ヶ月になる日の前日までに労働契約(更新される場合は更新後の契約)の期間が満了することが明らかでない

という条件を満たさなければ取得できません。
(参考:産休・育休の違いは?取得できる条件について解説していきます。 | 労務SEARCH

これ、特に大企業に勤めていると、意外と知っている人少ないんですよね。自然と条件を満たすので。

妻は年単位の契約で働いていたため、二つ目の条件を満たせず、取れませんでした。

その場合、産休明けで復帰か、辞めるかになります。 妻は研究職なのですが、キャリアを考えると辞める選択肢はありませんでした。
そのため私が育休を取ることにしました。

私は幸い理解ある職場に勤めていたため、育休取得自体はすんなり受け入れられました。
ですがもちろん抱えている仕事に一区切りつけないといけなかったので、 子供が生まれて産休が明けてから11月末までは、妻と仕事の休みをずらしてお互い週2~3日働く形でどうにかこうにかつなぐ生活でした。
それはそれでハードでした。

ちなみに産休は雇用条件などに関係なく誰でも取れます(法律で定められています)。産前と産後がありますが、産後休業は8週間取ることができます。

(参考: 産休期間はいつからいつまで? 覚えておきたい産休の仕組みとお金の流れ | マイナビウーマン子育て

逆に言うと育休を取らない場合は産後8週間で復帰する必要があります。文中でも述べますが、これ、体調面で超ハードとのことです。産後休業をのばすか育休を取りやすくするかしてほしい。

以降、12月から始まった私の育休中の様子について書いていきます。

※本記事は、単に自分大変〜っていうアピールがしたいわけではなく、今回「妻の産休明けから夫のみ育休」という(恐らく)レアケースを経験したと思っているので、世の中の育児に関わる/これから関わるであろう男性にとって参考になるといいなという思いで書いています。

直近の1日のスケジュール

だいたい子供が離乳食2食/日になるくらいの月齢におけるスケジュールです。

7:00くらいにおきる
朝食
(妻出勤)
あやす
11:00くらい 離乳食&ミルク準備、あげる
散歩、買い物
子供が寝たら昼ごはん (寝るとは限らない 離乳食食器洗う 洗濯 洗濯物畳む
子供と遊ぶ
15:00くらい ミルク準備、あげる
洗濯物干す
料理
(妻帰宅)
18:30くらい 離乳食&ミルク準備、あげる
沐浴
夕飯
風呂
食器洗い
ミルク準備、あげる
寝る

掃除がないけど、空いた時間にやるしかない感じでした。

あと、特に食器洗いが大変。料理すると量が多くなるし、哺乳瓶や離乳食食器は大人用とは別の洗剤で洗う必要があるので、毎日2時間弱かかります。

大変だったこと

はじめのうちはなれないことばかりで大変だったけど、新鮮味もあり体力もまだあるのでまあなんとかこなせていました。 それが、3ヶ月くらいできつくなってきました。なんだか、思考が鈍る感じ。

鈍り例

  • 離乳食のスプーンに2種類(あげる用と潰す用)あることに気づかず、かつ潰す用の方であげているのに気づかず、なんかあげにくいなあ、なんでかなあとか思ってた。
  • 保育園の準備のための買い物すらうまく選べない。

子供は大抵のとき、 自分が視界から消えるとこの世の終わりのように泣く ので、あまり離れてなにかすることができないです。 なので、家事はとてもしにくい。起きてる間は掃除なんかできないです。寝てても掃除機はかけられないんですけどね、起きるから。
傍で本読んだりスマホやPC使ったりはある程度できますが、それでもやっぱり相手しないといけないので、一度にできるのは10分ちょっとって感じです。
泣いてても無視して家事をしないと回らないときもあるし、そういった時間帯に受けるストレスはかなりのものです。 そういうストレスが、徐々に積み重なっていって 頭が鈍っていくんじゃないかと思います。

あと、休憩時間をとれないのも地味にしんどいです。仕事は昼休みが決まった時間にとれるけど、子供が寝てる間に家事を…と考えながら過ごすと気づいたら夕方。で家事終わってない、みたいな感じなので休憩とかなかったですね。
家事を一部諦めて意識的に休憩を取るようにするのもありなのかもしれないです。ルーチンになると躍起になってこなそうとしてしまうところがあるので。

他にも、

  • ルーチンを繰り返しているのがシンプルにつらい
  • 自由な時間が断片的かつ無計画に入るので落ち着いて思考する時間がない。 次何するかで頭がいっぱい。
  • 上記のとおり、なんだかんだで休む暇があまりない。
    • 自分が水分をほとんど摂っていないことに夕方気づく、とかよくある。
    • 週に一回くらい、子供がやたら寝て楽な日とかあったりするけど。
  • 前日の夜遅くても、朝起きるタイミングが強制される
    • まあこれは仕事でも一緒ですが(笑)
  • 昼間は、子供が起きている間は自分が仮眠をとれない。昼間子供が起きている時間が増えるに従って辛くなっていった気がする。

まあ、3月頭に引っ越しを挟んだ影響でめっちゃ疲れたのをひきずっている、というのもあるのですが。引っ越しは子供が生まれる前にすべし。。

あと、大変だったというかつらかったこと。
育休中、「時間がある」と思われることがなんかつらかった
「休業」してるけど、「育児」と「家事」してるんで、 仕事より拘束時間長い ですから。
一日のうち自分の自由時間は最大取れたとして2時間、平均1時間くらいだったと思う。

身についたこと

  • 家事
    • 料理、掃除、洗濯、食器洗い…
    • 文字で書くとそんなもんですが、結構時間取られるし、毎日ルーチンでやり続けるのはかなりしんどいです
    • 料理は、味噌汁くらいならパパっと作れるようになりました。レシピを見れば大体のものは作れることもわかりました。並行作業はうまくできないし野菜を切るのも時間かかるし、調味料のアレンジもできないけど、生きていくために最低限のことはできるようになったかなと。
  • 育児
    • ミルク、離乳食(作る・食べさせる)、オムツ替え、沐浴、散歩(抱っこひも)、病院(予防接種など)、あやす・あそぶ、爪切り…
    • 子供の成長とともにやり方も変わっていくので、慣れつつも常に新鮮な感じでした

育児も程々に大変だけど、 どちらかというと家事がしんどい です。

世間に比べれば楽だったんだろうなあと思うこと

夜泣きがなかった

うちは、子供が一切夜泣きをせずに朝まで寝てくれる(いまのところ)。おかげで夜は世間に比べればぐっすり寝られるので、相当楽な方であると思う。

病気がなかった

皮膚がちょっと荒れた程度で、熱も出さなかったし、体調面で手はかからなかった。

※ちなみに育休あけて保育園に通いだしたら、すぐ熱出して、引いた後も1.5ヶ月くらいずっと鼻ズルズル咳コンコンでした。。これはこれで辛い。。。

自分がインドア派

アウトドア派の人間にとっては、電車に乗って外出するのが1ヶ月に1回っていうだけで相当ストレスなんじゃないかと思いますが、自分は何も問題ありませんでした。
むしろ毎日散歩のために家を出ないといけないのが面倒だったw

育休前に考えていたこととギャップ

育児中の生活について男性ならではの工夫ができるか?

こんなこと言うと怒られるかもしれないけど、男性目線で育児を見れば、女性とは異なる視点で、もっと割り切った工夫点が見つかるかな、と思っていましたが、現実はそう簡単ではなかったです。
保育園生活が始まって、家事育児とほんの少しだけ距離を置いた上でまとまった思考時間が取れるようになったら、もう少し冷静な考えが浮かぶかも、知れない。
とりあえず思うのは、子供のためと思うと手を抜けない作業がほとんどなので、工夫して楽しよう、と考えるとしたら、家事くらい。家事の効率化がカギ。

※保育園に通い始めてから、家にいる時間帯はより忙しくなりました。
朝の離乳食も始まってからなおさら。
とりあえず料理なんかする時間はないので、お弁当サービスを使っています。
おかげさまで食器洗いは超減りました!離乳食食器合わせても1時間弱で終わる。超楽。

子供はお父さんっ子になる?

これはどうだろう、まだわからないけど、なんとなく自分の抱っこには安心感を持ってくれているような気はする。
少なくとも嫌われてはいない(笑)

世間の、育休中の妻を持つ男性に知ってほしいこと

あくまで個人的な意見ですが、万が一参考になれば。

  • まず、言わずもがなですが、 育休中の育児家事は超大変 ということ。
    • 時給換算の論調はナンセンスだとは思うけど、想像以上に負担が、特に 精神的負担が大きい 作業だなと感じています。やってみないとわからない負担があります。
  • 女性は出産後、体調が妊娠前の程度まで回復するのに半年〜一年かかる そうです。そのようなハンデのない男性でも、育児家事は辛い作業でした。女性にとってはより辛いはず。それを知っているだけでも日々過ごす気持ちが変わるかと思います。
  • 前述のとおり、(自分の場合はだけど)育児より家事が大変なので、 家事を手伝うのが最善 かと思います。料理も洗濯も掃除も、誰だってやればできますので。
    • そのかわり、女性側は男性がやった作業にやる気を削ぐような文句を言ったらダメ。
    • で、男性は謙虚に自分から改善点について意見を求めるべき。間違っても「やってあげた」とか「手伝ってんのに」とか思ったらダメ。オススメの思考は「自分もこんなことができるようになった。もっと上手くなりたい」
    • これは夫婦の関係性にもよるけど、どちらかが上から目線になったらうまく分担できないと思います。あくまで対等に、思いやりを持って。
  • 育児関連作業でも手伝えるなら手伝うほうがいいけど、子供に関することになるので、上記のように冷静に対等な目線で話せない可能性があるし、「自分のやり方」が固まりやすく、やり方の違いや教えるのが面倒という点からうまく分担できない可能性も高くなると考えます。
    従って、家事の分担よりハードルが高いと思われるため、手伝うならまず家事をやって信頼度を上げてからがいいと思います。

特に言いたいこと

家事育児の一日あたりの仕事のボリュームは、プロジェクトマネジメント的に言うと1.8人日くらいあると思います。
何が言いたいかというと、物理的に1人じゃ回らないということです。
育児はしたことがない人でもこう表現するとボリューム感が伝わるかなと思ってわざわざ言ってみました。

2人いるだけで、自分が何かしているときに別の作業が進む。それがどれだけ肉体的・精神的に助かることか、身をもって超知りました。
こと「今この瞬間」を求めてくる子供 の相手をしているときは、2人いるだけでものすごく助かるのです。

何が言いたいかというと、子供が小さいうちはなるべく家にいる時間を増やせるに越したことはない、ってことですね。当たり前ですね。

育休取得してよかったこと

ここまで大変さばかり書いてしまった感じですが、よかったこと。

  • 家事・育児が主体的にできるようになったこと
    • 妻との家事分担がやりやすくなり、家庭生活が円滑になりました。
    • 育児関係の作業も当然難なくこなせます。月齢が低い時期から参加したことで、より身につきやすかったと思います。
    • これはきっととても重要なことで、夫婦で育児をしていくにあたってお互いの理解がある状態になるので、今後も幸福度が高く維持されることを期待しています。
  • 秒で成長していく子供の姿をずっとそばで見ていられること
    • とくに月齢の低い子供は、日/週単位で様子や癖が変わっていきます。ずっとそばにいると、可愛さは倍増です。

反省していること

育児のノウハウは妻に頼りきりでした。肌のケア方法とか、どんなおもちゃをいつ頃あたえるといいかとか、どんな服を準備しないといけないとか、いつから離乳食始めるとか、調理方法とか、いろいろ。
日々のルーチンと同じくらいかそれ以上に、こういった育児ノウハウの情報収集とアクションが大変かつ大事なのは理解しているのですが、このあたりは妻に頼りきりでした。

金銭面の話

  • 給与は育児休業給付金のおかげで、それほど損しません。育休期間6ヶ月までは約67%を非課税でもらえるので、休業前の手取りとそれほど変わりません。ありがとう保険。
  • ボーナスはなくなります。これが痛い。
  • あと会社の福利厚生関係も大抵はなくなりますので、家賃補助等の福利厚生が充実している会社の場合、つらい部分が増えると思います。
  • 一方、家にずっといる生活になるので、変動費の出費は減り、電気代等の固定費は増えます。人によっては月の出費はトータル減るかもしれません。
    • 子供の世話のための出費を入れたら絶対増えますが。

その他

よかったもの

  • ブレンダー
    • 離乳食初期の慣れない時期に離乳食作りがとても楽になった。数千円するけど、一考の価値あり。
  • ヨシケイ
    • あらかじめ決まったレシピについて、注文した人数分の食材を、毎日宅配してくれるサービスがある。
    • うちは3食分/日頼んで、1食分は翌日の昼ごはんに回す生活をした。
    • 料理する気力があれば、便利。なにより毎日何食べるか迷う必要がなくなるのは良い。
    • 調理が自分たちなので味の調整ができる。レシピも気に入らなければ調整はできる。
    • 調理や食器洗いがしんどくなってくると、弁当サービス系のほうがいいと思う。
  • スマホで動画
    • 家事中にできる唯一の娯楽。
    • 子供が起きていると音が聞こえないといけないのでできないけど、寝ているときや妻が見てくれているときなどはスマホがあると動画コンテンツであれば楽しめる。
    • 自分はudemyの教材を見たり、アニメ見たり、ゲームのストーリーまとめ動画見たりしてた。3ヶ月くらいで某ゲームの動画8本分見切った。計120時間くらい?家事にかけている時間、半端ない。

ほしいもの

  • 食洗機
    • 食器洗いは人間がすることじゃないと思う。洗濯機があるんだから食洗機もあるべき…
    • でも大きいから賃貸だと結構難しいんですよね…

すべきこと

  • 床のものをへらす
    • 床に限らず、ホコリがたまる平面上にあるものは極力減らすべきだと思う。掃除のしやすさが段違いのハズ。
  • 作り置き
    • レシピへのこだわりを減らし、作り置きすると時短になるハズ。意外となかなかできないんだけど。。

おわりに

妻の産休明けから夫のみ育休を取って過ごした経験について書きました。
月齢の低い子供の育児に関われた今回の私の経験は世間的にはかなり珍しいことだったのではないかと思います。

伝えたかったのは以下二つです。

  • 家事育児両方やるのは、特に精神面で大変なので、パートナーはそれを理解し、サポートできるとよい
  • 男性も育休とる価値はとってもあるので、環境が許すなら是非

人生の価値観は人それぞれですが、少なくとも自分は、仕事を一定期間休んででもこのような期間を過ごせてよかったと思っています。 どのタイミングであれ、男性の育休取得はまだまだ少ないのが現状と思いますが、いい面もつらい面も含めて、皆が経験できるといいのではないかと思います。

金銭面やキャリアのことを考えると、取りたくても簡単には踏み切れない環境であるのは承知ですが、今後改善していくといいなと思います。

長文読んでいただきありがとうございました。